相続は“親のこと”だけじゃない。40~50代から始める二方向の相続準備
「相続」と聞くと、多くの方はまず親が亡くなったときのことを思い浮かべます。
けれど40~50代は、少し視野を広げてほしい年代です。
なぜなら、あなたは今、
- 親の相続を迎える側
- 自分の相続を準備する側
の、ちょうど真ん中に立っているからです。
これを私は「二方向相続」と呼んでいます。
なぜ今、40~50代が動くべきなのか

親世代はすでに70~80代。
相続が現実になるタイミングは、いつ訪れてもおかしくありません。
さらに自分自身も、子どもが社会に出はじめ、家や資産がある状態。
「残す側」に回る準備も必要になってきます。
つまり、受け取る準備と残す準備、両方を同時に考えることが、家族の安心につながります。

1. 親→自分の相続準備(受け取る側)
① 2025年の相続税改正を意識
来年以降、基礎控除の見直しなどで相続税の対象が広がる可能性があります。
「うちは税金かからないだろう」と思っていたご家庭も、課税対象になるかもしれません。
②実家じまい·不動産整理
空き家のまま相続すると、固定資産税が高くなったり、売却が難しくなったりします。
元気なうちに活用·売却·名義整理を話し合っておくことが大切です。
③相続登記の義務化(2024年4月スタート)
親名義の土地や建物は、相続発生から3年以内に登記しないと過料(罰金)が発生します。
古い名義のまま放置している不動産は早めに調べましょう。
④認知症対策
親が認知症になると、預金解約や不動産売却がほぼできなくなります。
成年後見制度や家族信託など、「発症前にしかできない準備」を確認しておきましょう。
2. 自分→子の相続準備(残す側)
①二次相続を見据える
夫婦のどちらかが亡くなった後(一次相続)は税金が少なくても、
残された配偶者が亡くなると(二次相続)税負担が倍近くになることも。
生命保険や遺産分けの工夫で負担を軽くできます。
②生命保険の活用
相続税や葬儀費用など、現金が必要な場面は必ず訪れます。
生命保険は、納税資金や相続分の調整にとても有効です。
③生前贈与の活用
教育資金贈与や結婚·子育て資金贈与の非課税制度には期限があります。
早めに検討すれば、節税と資産承継の両方でメリットがあります。
チェックリスト
※印刷や保存をして、家族と一緒に確認しましょう。
親→自分の相続準備
- □ 親の資産一覧を作った(不動産·預貯金·株など)
- □ 相続税がかかるか試算した
- □ 実家や土地の名義を確認した
- □ 不要な不動産の売却や活用を検討した
- □ 認知症発症前の対策を話し合った
自分→子どもの相続準備
- □ 二次相続までの税負担を試算した
- □ 納税資金や均等分割用に生命保険を準備した
- □ 生前贈与の活用計画を立てた
- □ 遺言書の作成を検討した
- □ 家族に資産の所在を共有した
まとめ
相続は「いつかやればいい」ではなく、
「できるだけ早く始めた人が一番ラク」 というのが現実です。
40~50代は、
- 親から受け取る資産の準備
- 子へ残す資産の準備
この二方向を意識して、家族みんなの未来を守る行動を始める時期です。
まずは親と、自分と、それぞれの資産状況を紙に書き出すことから。
それが、家族の安心への第一歩になります。